新生児との生活に不安を抱えている新米パパとママも多いのではないでしょうか。
助産師さんからのアドバイスや、育児書などを参考にして、新生児との生活をイメージしていても、いざ、実際に新生児がいるとなると、戸惑ってしまうことも多いはず。
今回の記事では、新生児のお世話をする上で気をつけるべきポイントを解説していきます。また、新生児のお世話だけでなく、ママの産後のケアも大切です。
新生児のお世話で気をつけるポイントの他に、ママの産後のケアについても紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
初めての育児はわからないことだらけ…
初めて出産を終えたママは育児に戸惑っていることも多いのではないでしょうか。
もちろん、2人目・3人目のママだって新生児との生活を思い出すまでに時間はかかりますよね。
助産師さんからのアドバイスや、育児書を参考にしたいと思っても、必ずしもパターンが当てはまるとも限らず、子供に合わせて柔軟な対応が必要になるのが育児です。
ただ、柔軟に対応するにしても、新生児のお世話をする上で気をつけておかなければならないポイントは把握しておきたいもの。
大人とは違い、すぐに壊れてしまいそうなほど柔らかいのが新生児です。大切な赤ちゃんを危険にさらさないよう、注意点を理解しておきましょう。
新生児のお世話で気を付けること14選
新生児のお世話は、
- おむつ替え
- 授乳
- お風呂
- 寝かしつけ
をイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし細かく分ければ、服の着替えやスキンケア、赤ちゃんが過ごす部屋の温度調整など気を配らないといけないポイントはたくさんあります。
まず初めに、新生児のお世話をする上で気をつけておきたい注意点から紹介していきます。
新生児の睡眠で気を付けること
新生児は自分の力で寝返りを打つことができません。また苦しいと感じていても、自ら体を動かすことができないため、そのままの状態を保ってしまうのです。
赤ちゃんが寝るスペースには、できるだけものはおかないようにしましょう。
ぬいぐるみなど置いて、可愛くお部屋をコーディネートしたくなる気持ちもわかりますが、ぬいぐるみが赤ちゃんのほうに転がってしまった場合、赤ちゃんが窒息してしまう可能性があるからです。
また、新生児を寝かせる際に、部屋を暗くすることが大切です。新生児は昼と夜の区別ができていません。また、生まれたての赤ちゃんは、眠ることが得意ではないため、部屋の明かりを調整することで「暗くなったら眠る時間」とルーティン化できます。
新生児の寝かしつけで気を付けること
新生児の寝かしつけで、おっぱいをあげながら寝させる「添い乳」をする方もいるのではないでしょうか。
添い乳ができるようになれば、授乳をしながらそのまま寝かしつけることができ、ママの体力的にもかなり楽になりますよね。
しかし、添い乳をした状態で、ママが寝落ちしてしまうと、赤ちゃんの上に覆いかぶさった状態になり、圧死させてしまう悲しい事件も発生しているのが現実です。
添い乳をする場合には、赤ちゃんを圧死させないよう対策をしておくことが重要です。
新生児の体重の増加で気を付けること
新生児の体重は1日25グラム~50グラム程度増えていると理想です。1ヵ月検診で生まれたときの体重より1キロ増えていれば順調に育っているといえるでしょう。
とはいえ、体重の増え方も個人差があります。成長曲線も目安であるため、成長曲線からはみ出していることもいれば下回っていることもあると思います。
成長曲線の真ん中にないからといって、過度に心配する必要はありません。
新生児への授乳で気を付けること
新生児の授乳で気をつける事は、授乳は3時間間隔であげることです。中には、3時間以上母乳やミルクを欲しがらない赤ちゃんもいますが、授乳の間隔を3時間以上開けると、栄養不足や脱水症状に陥る可能性が高まります。
また、1度にたくさんの母乳やミルクを与えてしまうと、未発達である消化器官に負担をかけてしまうので注意が必要です。
中には授乳中にむせてしまう赤ちゃんがいます。「吸啜反射」は、備わっていても、口に入ってきた母乳やミルクを飲む力が備わっていないことが原因です。
赤ちゃんをリラックスさせた状態で授乳をしたり、授乳の体制を変えるなどして対策をしてあげましょう。
新生児が過ごすお部屋の環境で気を付けること
新生児が快適に感じる室温は、夏なら25〜28℃、冬は20〜25℃程度といわれています。湿度は50%~60%を保っていれば快適に過ごせるでしょう。
新生児が快適に感じている室温は、大人が快適に感じている室温と大差ないため、赤ちゃんがいるからといって過度に心配する必要はなさそうです。
気をつけるポイントは、冷たい風が赤ちゃんに直接当たらないようにすることです。小さな体は体温調節がうまくできていません。冷たい風が直接当たると、赤ちゃんの体が一気に冷え切ってしまいます。
また、赤ちゃんは常に寝転がっていますよね。冷たい空気は下に溜まる傾向があります。大人が少し暑いと感じていても、寝転がっている赤ちゃんは寒いと感じていることもあるのです。
「もしかしたら寒いかも…」と感じたときには、室温で調整するのではなく、タオルケットをかけたりなど寝具で調整するのもおすすめです。
新生児の快適な服装で気を付けること
新生児のうちは、大人よりも1枚多く服を着せるように推奨されています。
しかし、小さな子供は、大人よりも体温が高いのが特徴です。そのため、乳児期になると大人よりも1枚少ない枚数の服装で充分でしょう。
ただ、肌着で枚数を調整するのはNGです。肌着には汗を吸収する効果があります。肌着を着せず、汗を吸収できないと、その汗が冷えることで風邪をひいてしまう可能性が高まるからです。
春や秋など、日中の寒暖差が激しい場合には、薄手の羽織で調整するようにすると良いでしょう。
服装で調整するのが難しい場合には、室温を調整したり、ブランケットをかけるなどして調整するのもおすすめです。
新生児とのコミュニケーションで気を付けること
新生児とコミュニケーションを取るために、気をつけるべき事は、勢い良く持ち上げたり、激しく揺さぶったりなど成長した子供と同じように接してはいけないということです。
勢い良く持ち上げたり、激しく揺さぶると、頭の中で出血が起こる「揺さぶられっこ症候群」になる可能性が高まります。
また、新生児は首が座っていません。首が座っていない赤ちゃんと激しく遊ぶのはかなり危険です。
新生児とスキンシップを取るときは、抱っこして優しくゆらゆらゆれたり、歌を歌ってあげたり、絵本を読んであげたりなどにしましょう。
新生児の排泄で気を付けること
新生児の排泄で気をつけるポイントは、おしっことうんちの回数をきちんと把握することです。
新生児はおしっこを1日6回以上するのが通常です。おしっこの回数が6回より少ないようであれば、授乳の量が足りておらず、水分不足になっている可能性が考えられます。
また、うんちには赤ちゃんの健康状態がはっきりと表れます。赤ちゃんは、自分の言葉で体調の変化を伝えることができません。赤ちゃんの体調の変化に速やかに気づくためにも、おむつ替えのためにうんちのチェックは必須です。
血が混ざっているような赤黒いうんちや、全体が白っぽくなっているうんちをした場合は、体内で出血がおきていたり、ウイルス性の病気にかかっている可能性が高いので、すぐにかかりつけの小児科を受診するようにしましょう。
新生児のおむつかぶれで気を付けること
新生児は肌が弱いのが特徴です。そのため、おむつかぶれを引き起こしてしまう赤ちゃんも多くいます。
おむつかぶれを早く治してあげるためには、皮膚を清潔な状態で保つことが大切です。おむつの中が蒸れていると菌が繁殖しやすくなり、おむつかぶれがさらに悪化してしまいます。
おむつかぶれが悪化し、排尿や排便をするたびに赤ちゃんが痛みを感じているようなら、皮膚科を受診しましょう。
新生児の湿疹で気を付けること
新生児の湿疹は、ほとんどの赤ちゃんに表れます。生後8~12ヶ月頃に自然に治るため、積極的に治療する必要はありません。
新生児に湿疹が出た場合には、低刺激のボディーソープを使用してしっかりと洗ってあげましょう。
ガーゼなどを使用すると、優しくこすっていても、摩擦が発生し乾燥しやすくなってしまいます。
手を使って泡でやさしく包み込むように洗ってあげましょう。
湿疹が悪化し、かさぶたになっているようであれば、かさぶたを剥がさないようにしてあげましょう。
新生児の病気で気を付けること
新生児は、自分の体調が悪くなっていても、言葉で伝えることができません。そのため、普段の赤ちゃんの様子を見て、パパとママが判断してあげる必要があります。
迅速に判断してあげるために、赤ちゃんの平熱を把握しておく必要があります。赤ちゃんの平熱は大人よりも高いのはご存じですか?大人だと、37.5度の熱であれば微熱ですよね。
しかし、新生児であれば、37.5度程度の熱であれば通常です。38度以上であれば明らかに発熱しているといえるでしょう。
平熱を把握しておかなければ、赤ちゃんが発熱しているのか?と判断することもできなくなってしまいます。毎日体温を計測する必要はありませんが、定期的に検温し平熱を把握しておきましょう。
新生児の入浴で気を付けること
自宅で寝転んでいるだけの新生児でも、新陳代謝がかなり良く、汗をたくさんかいているため、毎日沐浴をさせます。
しかし、赤ちゃんの元気がない時や、発熱しているときは沐浴をさせる必要はありません。
また、授乳をしてすぐは吐き戻しする危険性があるため、授乳後30分経ってから沐浴させるようにしましょう。
新生児は生活習慣が整っていません。きちんとした生活リズムを整えてあげるためにも、朝沐浴をさせたり、昼に沐浴させたりするのではなく、毎日決まった時間に沐浴をさせることが大切です。
新生児のスキンケアで気を付けること
生まれたての赤ちゃんは、皮脂が分泌しているため、スキンケアをしなくてもしっかり保湿することができています。
しかし、成長するにつれ皮脂の分泌が少なくなり、乾燥しやすくなるため、保湿をしてあげることが大切です。
低刺激と記載されてあっても、赤ちゃんの肌に合わない場合があるので、パッチテストをしてから使用しましょう。
また、食事の後で口を拭いたり、おむつ替えの際にお尻を拭いたりすることで、保湿剤が取れてしまいます。
赤ちゃんの肌はとても薄く、すぐに乾燥してしまうため、こまめに保湿剤を塗布してあげるようにしましょう。
乳幼児突然死症候群を予防するために
「乳幼児突然死症候群」という言葉を聞いたことがあるパパやママも多いのではないでしょうか。
乳幼児突然死症候群とは、窒息など原因があるわけでもないのに、赤ちゃんが突然亡くなってしまうことです。
原因は不明ですが、予防することはできます。
- 服をたくさん着せ込みすぎないこと
- 仰向けで寝かしつけないこと
- 受動喫煙をさせないこと
- できるだけ母乳で育てること
上記4つが乳幼児突然死症候群の予防法だといわれています。
予防法を徹底し、大切な赤ちゃんの命を乳幼児突然死症候群から守りましょう。
ママの身体・心のケアも大切
出産した後のママのダメージは、交通事故で全治1ヵ月くらいのダメージだといわれています。そんな状態で新生児のお世話をしているわけですから、ママの体や心のケアも必要になってきます。
とはいえ、小さな赤ちゃんがいると、つい自分のことを後回しにしてしまいますよね。
しかし、産後のママのケアを怠り産後うつのような状態になってしまうママが実は多くいるのです。
次の見出しでは、気をつけてチェックしたいママの体と心のケアについて紹介します。1人で育児をしようとせず、周りに頼って、自分のケアもしっかりしてあげて下さいね。
会陰切開の傷のケア
会陰切開や会陰裂傷の傷を早く直すためには清潔を保つことが重要です。
産後は、悪露などで陰部が汚れてしまいがちです。トイレのたびに洗浄面で清潔にするようにしましょう。
傷が悪化するのを避けるため、便を我慢してしまうママがいますが、便を我慢しすぎるのはNGです。また赤ちゃんに母乳をあげていると、水分量が少なくなり、便秘になりがちです。
便を出すために、いきむのが怖いようであれば、水分を積極的に取り、便を出しやすくしましょう。
会陰切開や会陰裂傷の傷は比較的早く治りますが、稀に悪化してしまうママもいるようです。傷がひどく痛むようであれば、悪化する前にすぐに産科を受診しましょう。
夜泣きで睡眠不足…
新生児は、昼夜関係なく3時間おきに授乳が必要です。授乳をしたからといって、すぐに寝るわけではありません。
また、赤ちゃんが寝ている時間に一緒に眠ることができれば、睡眠不足を解消することもできますが、なかなかそうはいきませんよね。
しかし、睡眠不足になると、頭が回転しなくなり心も体も不安定になりがちです。
睡眠不足を解消するためには、安心できる方に赤ちゃんを預ける必要があります。休日などパパの仕事がお休みの日には、存分に頼って、しっかり睡眠を取るようにしてください。
おっぱいが張って痛い…
ママの母乳が作られる量と、新生児が飲む量があっていないと、おっぱいがパンパンに張ってしまいます。
パンパンに張った状態のおっぱいは、腕を動かしたり、何かが当たっただけでもかなり痛みますよね。
中には、母乳がたくさん作られたせいで、乳腺炎になってしまうママもいるのです。
乳腺炎になると、高い熱が出ます。高い熱が出ている中、新生児のお世話をしないといけないのはかなりのダメージです。
おっぱいが張って痛い場合には、痛みが取れる程度に搾乳をしましょう。絞った母乳は、冷凍保存をしておくことで、ママがお世話をできなくても誰かが授乳できるので安心です。
パパや周りに対してイライラしてしまう…
- 「大切に思っているのにパパに対して、イライラしてしまう…」
- 「赤ちゃんを抱っこしてくれることに対して嬉しいと思えない…」
と悩んでいるママもいるのではないでしょうか。
パパがお世話をしてくれたり、周りが赤ちゃんのことをかわいいと思ってくれる事は、本来喜ばしいことであるにもかかわらず、気持ちがついてこないと自分を責めてしまうママもいるのではないでしょうか。
しかし、パパに対してイライラする感情を持ったり、周りが赤ちゃんのことを可愛がることに対して、素直に喜べない気持ちは、実は自然なことなのです。
ママは、生まれた時から赤ちゃんを守る本能があります。自分の子供を危険から守るために、子供に近づいてくる人に対して威嚇してしまうのです。
この期間は「ガルガル期」とも呼ばれています。人によって異なりますが、このガルガル期は1~3ヶ月ほどで落ち着くことが多いです。
少しの期間気持ちが不安定になるかもしれませんが、無理矢理にでも1人の時間を作ったり、友達に話を聞いてもらうなど、ストレス解消法を見つけることが大切です。
どうしても不安な時は助産師さんや専門の機関に相談を
今回の記事では、新生児のお世話をする上で気をつけておきたい注意点や、ママの体と心のケアについて紹介しましたが、いかがでしたか。
新生児は自分の口で気持ちを伝えることができません。そのため、泣いていても「どうして泣いているの?」とわかってあげられない自分を責めてしまうママもいるのではないでしょうか。
また、新生児との生活が無性に不安になってしまうこともあるはず。しかし、うまくいかなかったり、不安を抱えているのは、あなただけではありません。
不安を抱え込むのではなく、まずは赤ちゃんとの生活を楽しんでみてください。
もし、どうしても不安が解消されないときには、助産師さんや専門の機関に相談してみてください。的確なアドバイスをもらえることができ、ママの心も軽くなるはずです。
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