新生児のお風呂の入れ方は、産院で助産師からアドバイスをもらったママが多いでしょう。また、生まれる前の母親・父親学級で沐浴の練習をしたパパやママもいるかもしれませんね。
しかし、どれだけ練習していても、実際に赤ちゃんをお風呂に入れるとうまくいかないことが多いです。
今回の記事では、新生児のお風呂の方法を紹介しています。沐浴に必要なアイテムや、入浴させる際の注意点を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
新生児のお風呂ってどうやって入れるの?
「助産師さんからしっかりアドバイスももらったし、母親学級でも練習したから大丈夫!」と思っていても、実際に新生児をお風呂に入れるとなると、たくさんの工程があってうまくいかないパパやママが多くいます。
赤ちゃんと同じサイズの人形をお風呂に入れるのと、実際に赤ちゃんをお風呂に入れるのとでは大きく違います。
- 「しっかり洗えているのかわからない」
- 「もう一度沐浴の工程を復習したい」
上記のように沐浴に対して苦手意識を持っているパパやママもいるかもしれません。
今回の記事は、沐浴に必要なアイテムから、基本の工程、押さえておくべき注意点や男の子と女の子の洗い方の違いなども解説しています。
読むだけで沐浴の基本工程のおさらいができるようになっています。何度も繰り返し読んでシミュレーションしてから赤ちゃんの沐浴に挑戦してみてください。
新生児のお風呂(沐浴)に必要な6つのアイテム
まず初めに新生児をお風呂に入れる際に必要なアイテムから紹介していきます。新生児の入浴に必要なアイテムが揃っていなければ、きちんと清潔を保つことができなくなります。
新生児をお風呂に入れる際に、必要なアイテムは、下記の6点です。
- ベビーバス
- 洗面器
- 温度計
- ガーゼ
- バスタオル
- シャンプー
それぞれの特徴を次の見出しで解説していきます。
アイテム1:ベビーバス
新生児を沐浴させる際に、絶対必要なアイテムがベビーバスです。ベビーバスにはさまざまな種類があります。
洗面器が楕円形になっているような形のベビーバスや、空気を入れて膨らませるタイプのベビーバスもあります。
洗面器のように、カチっとしているタイプのベビーバスは安定感があり、入浴させやすいのが特徴です。反対に、空気を入れて膨らませるタイプのベビーバスは、洗面器タイプのベビーバスに比べて安定感は少なくなりますが、使用しなくなった後で収納に困らないメリットがあります。
ベビーバスは生活スタイルに合ったものを選んでね!
アイテム2:洗面器
沐浴で体をきれいに洗った後、きれいなお湯で体をすすぐためのお湯をためておく洗面器を用意する必要があります。
赤ちゃんの沐浴用に新調する必要はありませんが、沐浴のたびに清潔を保つようにしましょう。
アイテム3:温度計
温度計はベビーバスに張るお湯の温度を測るためのアイテムです。
ぷかぷか浮かせているだけで手軽に測れる温度計があります。
赤ちゃんを快適に沐浴させるために必須のアイテムとなります。
お湯に浮かせておくだけ温度が把握できるから便利だよ!
アイテム4:ガーゼ
赤ちゃんの体を洗うため1100%でできているガーゼの用意をしましょう。
ガーゼは赤ちゃんの体を洗うだけでなく、吐き戻したミルクを拭き取ったり、汗を拭き取ることもできます。
お風呂用のガーゼとお出かけ用のガーゼは清潔を保つためにも分けて使用するのが好ましいです。
アイテム5:バスタオル
沐浴した後の赤ちゃんの水滴を拭き取るためのバスタオルを用意しましょう。新生児のうちに使用するバスタオルは、パパやママが使用するバスタオルと分けるようにしましょう。
大判のバスタオルを使用するのも良いですが、おくるみのようになっているバスタオルを使用するのもおすすめです。
おくるみタイプのバスタオルを使用すれば、スキンケアをしている間にも包み込むことができるため、湯冷めを防ぐことができます。
赤ちゃん用と大人用のタオルはわけておくと安心ね!
アイテム6:シャンプー
赤ちゃんの体をきれいに保つため、シャンプーやボディーソープを用意しましょう。赤ちゃんのお肌は刺激に弱いため、低刺激タイプのシャンプーやボディーソープを用意する必要があります。
ただ、新生児から使える低刺激タイプのシャンプーやボディーソープでも、赤ちゃんの肌によっては合わない可能性があります。
全身に使用して、アレルギーが出ることを防ぐため、使用前にはパッチテストをしてアレルギーの有無を確かめておきましょう。
新生児のお風呂(沐浴)の基本的な流れを解説
新生児をお風呂に入れる際に必要なアイテムが揃ったら、実際に赤ちゃんをお風呂に入れていきましょう。
新生児のお風呂には基本的な流れがあります。洗う工程が前後しても基本的には問題ありませんが、入浴する前には事前準備をきちんとしておく必要があります。
入浴前に事前準備をしておくことで、お風呂上がりに慌てずに済みます。
新生児のお風呂の基本工程を事前準備からわかりやすく、分解していくと、全部で13工程あります。
- ベビーバスに適温のお湯を張っておく
- 洗面器には少し高めのお湯を張っておく
- 新生児を拭くバスタオルを広げておく
- 沐浴後に着せる洋服を用意しておく
- ガーゼをお腹の上にのせてお湯につける
- 顔を洗う
- 頭を洗う次は歯
- 首やお腹を洗う
- 背中を洗う
- お尻・お股を洗う
- 綺麗なお湯ですすぐ
- バスタオルで身体を拭く
- スキンケアをして服を着せる
それぞれどのように進めていくべきなのか、次の見出しで詳しく解説していきます。
事前準備1:ベビーバスに適温のお湯を張っておく
まず初めにベビーバスに適温のお湯を張っておく必要があります。赤ちゃんが快適に沐浴できる温度は、夏は37度から39度、冬場は38度から40度が好ましいといわれています。
ベビーバスは大人が入浴する湯船と違って貯められる量が少ないです。そのため、快適に沐浴できる温度より1度程度高めのお湯を張っておくと、服を脱がせている間に、適温まで冷めているはずです。
少し高めのお湯を張っておくと安心ね!
事前準備2:洗面器には少し高めのお湯を張っておく
洗面器の中にすすぎ洗い用のお湯を張っておきましょう。洗面器の中に入っている水を使用するのは赤ちゃんの体を洗ってからなので、お湯を貯めてから使用する前にタイムラグが生じます。
そのため、洗面器に貯めるお湯は少し高めの温度に設定する必要があります。
事前準備3:新生児を拭くバスタオルを広げておく
新生児を拭くためのバスタオルを広げておきましょう。新生児を洗った後でバスタオルを広げてしまうと、水滴がついている赤ちゃんの体で、パパとママも濡れてしまうからです。
また、水滴がついている状態で長時間過ごさせてしまうと、冬場は特に湯冷めする危険性が高まります。
近くにバスタオルを広げておいて、すぐに服を着せられるようにしてあげましょう。
入浴後の準備をしておくと慌てずに対応できそうね!
事前準備4:沐浴後に着せる洋服を用意しておく
バスタオルを広げると同時に、沐浴後に着せる洋服も近くに用意しておく必要があります。スキンケアアイテムも近くに置いておけば、手に届く範囲で着替えが完了するのでおすすめです。
事前準備について詳しく解説できたところで、実際に沐浴する工程について解説していきましょう。
入浴方法1:ガーゼをお腹の上にのせてお湯につける
新生児をお湯につける際には、お腹の上にガーゼを乗せてあげましょう。なぜなら、裸でいきなりお湯の中につけられると、赤ちゃんが驚いてしまうからです。
ガーゼをお腹の上に乗せてあげることで、服を着ているような安心感のまま沐浴することができます。
ガーゼがお腹に乗っていると安心して入浴できるよ!
入浴方法2:顔を洗う
たっぷりの泡で顔を洗ってあげましょう。生まれてからの日数が経つにつれ、皮脂の分泌が多くなってきます。
顔に付着している皮脂をそのままの状態にしておくと、乳児湿疹がひどくなる可能性があります。
目の周りや口の周りは避けて、お顔周りを清潔に保ってあげましょう。
入浴方法3:頭を洗う
お顔周りをきれいにした後は、頭を洗ってあげましょう。大人が気持ちいいと感じるように爪を立てて強く擦るのはNGです。手のひらで優しく包み込み撫でるように洗ってあげましょう。
入浴方法4:首やお腹を洗う
お顔と頭が洗えたら、首やお腹周りを洗ってあげましょう。
赤ちゃんの首には汚れが溜まっていることが多いです。首を上に向けてしっかりシワの中まで洗ってあげるようにしましょう。
首のシワも丁寧に洗ってあげないとね!
入浴方法5:背中を洗う
体の正面が全体的に洗えたら、赤ちゃんをくるっとうつぶせの状態にし、背中を洗ってあげましょう。
背中を洗う際もガーゼで優しく撫でる程度で充分です。
入浴方法6:お尻・お股を洗う
体全体が洗えたら、お尻やお股などデリケートゾーンを洗ってあげましょう。
男の子と女の子のお股の洗い方の違いについては、別の見出しで詳しく解説しているので、ぜひそちらを参考にしてみてください。
デリケートゾーンは優しく洗ってね!
入浴方法7:綺麗なお湯ですすぐ
体全体が洗えたら、洗面器の中に溜めていたきれいなお湯ですすぎましょう。
体を洗っている間に、高めにしていたお湯の温度が適温になっているはずです。ガーゼを使ってすすぐ際は、新しいガーゼを使用するようにしましょう。
入浴方法8:バスタオルで身体を拭く
体についている泡をきれいに流すことができたら、バスタオルで体を拭いてあげましょう。
湯冷めを防ぐため、頭から足先デリケートゾーンまでしっかり水滴を拭き取ってあげる必要があります。
おくるみタイプのバスタオルを使用したら、湯冷めの心配がなくなるよ!
入浴方法9:スキンケアをして服を着せる
スキンケアをして服を着せてあげましょう。スキンケアアイテムも低刺激タイプのものを使用する必要があります。
シャンプーやボディーソープと同じように、使用する前には、パッチテストをして安全に使用できる商品なのか確かめるようにしましょう。
新生児のお風呂(沐浴)の5つの注意点
新生児をお風呂に入浴させる際は、大人が入浴するのと同じようにするのはNGです。
生まれたての新生児は、お風呂に入るだけでも怖い刺激を感じています。新生児をお風呂に入れる際には、いくつかの注意点を守る必要があります。
新生児を入浴させる際の注意点は、主に下記の5つです。
- 30分以上の入浴はNG
- 授乳した後はすぐに沐浴をしない
- 沐浴の時間はバラバラにしない
- 耳にお湯が入らないように注意
- 体調がすぐれない時の沐浴はしなくてOK!
注意点をきちんと守らなければ、赤ちゃんを危険にさらす行為にもつながりますので、しっかり読み込んでください。
注意点1:30分以上の入浴はNG
「長時間お風呂に入るのが癒しの時間」というパパやママも多いかもしれませんね。自分にとってお風呂が癒しの時間だと、赤ちゃんにも同じような時間を過ごしてほしいと思うかもしれません。
しかし、生まれたばかりの赤ちゃんに30分以上の入浴をさせるのはNGです。なぜなら、お湯の中につかるだけでも、赤ちゃんの体は疲れてしまうからです。
はじめのうちは、木浴にてこずり時間がかかることもあるかもしれませんが、できるだけ30分以内に終わらせてあげるようにしましょう。
注意点2:授乳した後はすぐに沐浴をしない
授乳と沐浴の間は30分程度の時間を開けるようにしましょう。
「沐浴中にできたら泣いて欲しくない…」と感じているパパやママも多いはず。確かに沐浴中に大きな声で泣かれてしまうと、パパやママの気持ちが焦ってしまいますよね。
沐浴中に泣かせないために、直前で母乳やミルクを飲ませたくなる気持ちもわからなくはありません。
しかし、沐浴の流れを見てもわかるようにたくさんの工程があります。うつぶせにしたり、仰向けにしたりしながら洗うため、直前で母乳やミルクを飲ませると、吐き戻してしまうことがあるのです。
吐き戻した母乳やミルクを誤飲して、窒息する可能性がないとは限りません。
沐浴と授乳の間は30分空けるのが鉄則なのね!
注意点3:沐浴の時間はバラバラにしない
「今日はお出かけして疲れたから沐浴タイムは夕方にして、明日はゆっくりだからお昼に沐浴タイム」というように沐浴の時間をバラバラにするのはNGです。
生まれたての新生児は昼と夜の区別ができていません。生活スタイルを整えることで、昼と夜の区別が少しずつできるようになります。
沐浴の時間が毎日バラバラだと「今は昼なの?夜なの?」と戸惑い生活リズムが崩れてしまう可能性があります。
少し時間にズレが生じるのは問題ありませんが、夕方に沐浴したり、お昼に沐浴したりとバラバラな時間帯で沐浴させるのはNGです。
毎日決まった時間にお風呂に入れて欲しいよ!
注意点4:耳にお湯が入らないように注意
耳の中にお湯が入ってしまうと、中耳炎を引き起こす可能性も否定はできません。赤ちゃんのお顔や頭を洗ったり、きれいなお湯ですすぐ際には親指と薬指で赤ちゃんの耳を塞いであげましょう。
赤ちゃんの頭は小さいため、女性の手でもしっかり耳を塞げるはずです。
注意点5:体調がすぐれない時の沐浴はしなくてOK!
新生児は1日1回沐浴をして清潔を保つのが理想といわれています。しかし、赤ちゃんの体調がすぐれない時はもちろん、ママの体調がすぐれない時も無理して沐浴をする必要がありません。
体調が悪い時に無理に沐浴をさせることで、さらに悪化させる危険もあります。
体調が悪い時は無理に沐浴はさせないでね!
もし、沐浴ができないことが気になるのであれば温かいお湯につけたガーゼで、体をさっと拭き取ってあげるだけでも充分です。
男の子と女の子のお股の洗い方の違い
下記のように、男の子と女の子のお股の洗い方がわからず、戸惑っているパパやママがいるのではないでしょうか。
- 「男の子のおちんちんは、どうやって洗ったらいいんだろう…」
- 「女の子のお股の洗い方がわからない…」
男の子だからパパが入れて、女の子だからママが入れるなんてことはできませんよね。
この見出しでは、男の子の洗い方と女の子の洗い方の違いについて解説していきます。共通していえるのは、男の子のお股も女の子のお股もガーゼを使わず、手で洗う必要があるということです。
腕や足などに比べて、デリケートゾーンはとても敏感です。専用のソープを使用しないのであれば、ボディーソープをつける必要もありません。
デリケートゾーンは優しく手で洗ってね!
男の子のおちんちんを洗う際には、陰茎の裏側まできちんと洗ってあげる必要があります。赤ちゃんのうんちはとても柔らかく、きちんと拭いているようでも、陰茎の裏側にうんちが溜まっていることがあるからです。
女の子のお股を洗う際には、大陰唇を丁寧に洗ってあげましょう。粘膜まで強く洗う必要はありません。たまに大陰唇の中に白いカスが溜まっていることがあります。
その場合は、大陰唇を指で優しく広げ、水で洗い流してあげましょう。指で擦り取ったり、ガーゼで強く拭き取る必要はありません。
ワンオペで入浴させる際の3つのポイント
新生児を入浴させる際に、常にパパとママが2人で協力して入浴させるのは難しいですよね。ママがワンオペで入浴させることもあるのではないでしょうか。
最後にワンオペで入浴させる際のポイントを紹介していきます。
ワンオペで入浴させる際のポイントは下記の3つです。
- 日中にお風呂(沐浴)を済ませておく
- 片手でプッシュできるアイテムを使用する
- ベビーバスは長く使えるアイテムにする
パパやママのどちらかが1人で沐浴をする際にもスムーズにできるよう必見の内容になっています。
ポイント1:日中にお風呂(沐浴)を済ませておく
ママがワンオペで沐浴させるのであれば、日中に沐浴をすると慌てずに済みます。夕方になるにつれ「黄昏泣き」をする赤ちゃんも多いです。
泣いている赤ちゃんを沐浴させるのはママにとって負担になる可能性が高いです。機嫌が良いとされている日中にできるだけ沐浴をさせると良いでしょう。
日中はご機嫌でお風呂にはいれる赤ちゃんが多いよ!
ポイント2:片手でプッシュできるアイテムを使用する
ワンオペで沐浴をする際には、片手でプッシュできるシャンプーやボディーソープの使用がおすすめです。キャップを開けて洗剤を取り出すタイプのアイテムだと、濡れた片手で扱うのは難しいことがあります。
ワンプッシュで簡単に使えるシャンプーやボディーソープだとてこずる心配がありません。さらに最近では泡で出てくるタイプのシャンプーやボディーソープも販売されています。
ガーゼに洗剤を付着させ、細かい泡を立てる必要がなくなるため、かなり時短になります。
ポイント3:ベビーバスは長く使えるアイテムにする
ベビーバスは長く使えるアイテムにするのもおすすめです。沐浴は生後0日から28日までの新生児期に行うのが一般的です。
中には生後2ヶ月ごろまでベビーバスで沐浴をする赤ちゃんもいますが、成長するとパパやママと一緒に入浴できるようになります。
しかし、パパやママと一緒に入浴できるようになったとしても、1人で安定して座れるわけではありません。パパやママが体を洗っている間、赤ちゃんの待機スペースが必要になるのです。
沐浴で使っていたベビーバスを入浴する際の赤ちゃんの待機スペースとして利用ができると便利です。
長く使えるベビーバスだとコスパもいいね!
コツを掴んで新生児とのお風呂を楽しもう!
新生児のお風呂の方法や沐浴に必要なアイテム、入浴させる際の注意点を紹介しましたが、いかがでしたか?
わかりやすく分解すると、新生児の沐浴工程は13個もあり「沐浴の工程が多すぎる!」と感じたパパやママもいるかもしれません。
しかし、難しいからといって避けて通れるわけではありません。
また、パパとママが沐浴しやすいように、基本工程から少しずつプラスしながら、2人だけのオリジナルの工程ができていくこともあります。
沐浴の仕方も決まりはないから2人だけの方法を見つけてね!
コツをつかむことができれば、新生児の沐浴の時間も楽しい時間になるはずです。はじめての育児で、何でもいきなりうまくいくはずがありません。
いろいろな沐浴工程を試し、やりやすい方法を探りながら楽しい入浴タイムを過ごしましょう!
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