「新生児黄疸」という言葉を耳にしたことがあるママは多いのではないでしょうか。「新生児黄疸」がどのような病気なのか、詳しく知っているママは少ないかもしれません。
今回の記事では、新生児黄疸について紹介しています。新生児黄疸にはどのような症状が見られ、悪化するとどんな危険性があるのか、また効果的な治療法についても解説しています。
初めて育児に取り組んでいるママ、これから出産を控えているママはぜひ参考にしてみてくださいね。

新生児黄疸ってよく耳にするけど一体どんな病気?
これから出産を控えているママや、絶賛新生児のお世話中のママなら、一度は「新生児黄疸」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
「新生児黄疸」とは、生まれたての赤ちゃんのほとんどがかかる病気の1つです。
「ビリルビン」という物質の血中濃度が上昇することで、皮膚にも溜まって黄色くなる症状のことを「新生児黄疸」といいます。
「肌が黄色くなる病気?」とざっくりとした症状は把握できても、黄疸が悪化したらどのような危険性があるのか、どのような治療法があるのかまでは詳しく把握できていないこともあるのではないでしょうか。
「新生児黄疸の数値が高いので、これから治療を行います」といわれたときに、慌てないためにも、症状や治療法については把握しておきたいものですね。
新生児黄疸の気になる症状とは

新生児黄疸にはどのような症状が現れるのでしょうか?症状を把握しておくことで、早い段階で赤ちゃんの黄疸に気付くことができます。
- 肌や白目が黄色っぽくなる
- 食欲がなくなる
- 睡眠時間が多くなる
上記の症状が見られたら、新生児黄疸にかかっている可能性が高いでしょう。
症状1:肌や白目が黄色っぽくなる
記事の冒頭でも紹介した通り、肌や白目が黄色っぽくなるのが、新生児黄疸の特徴として最も多く挙げられるのではないでしょうか。
「ビリルビン」という物質が皮膚にも溜まることで肌や白目が黄色っぽくなります。
先程の見出しでも紹介しましたが、肌や白目が黄色っぽくなるのは、生まれてから4日から5日がピークです。生後1週間を迎えたら、少しずつ落ち着いてくるので、過度に心配せず、見守ってあげましょう。
症状2:食欲がなくなる
新生児黄疸の症状が強く現れるようになると、食欲がなくなる赤ちゃんが多いです。母乳やミルクの飲みが悪くなる傾向があります。
ただ、別の見出しでも詳しく紹介しますが、母乳やミルクをたくさん飲むことこそが、新生児黄疸の治療法にもなります。
生後1週間ごろまでは生まれた日数×10mlのミルクの量を目安に授乳しましょう。
生後1週間から2週間の赤ちゃんには60ml〜80mlのミルクが飲めていれば充分です。
症状3:睡眠時間が多くなる
新生児黄疸の数値が高くなると、睡眠時間が多くなる傾向があります。まとまって睡眠をとってくれると、パパやママの体力的にも楽になりますよね。
しかし「赤ちゃんがもともとよく寝る体質なのか?」それとも「新生児黄疸が原因で、睡眠時間が多くなっているのか?」を正確に判断する必要があります。
肌や白目の黄色味が生後1週間を迎えても濃く出ているようであれば、黄疸が原因で睡眠時間が増えている可能性が高いです。
肌や白の黄色味以外に別の症状が出ていないか、赤ちゃんの様子をくまなくチェックしてあげましょう。新生児黄疸の危険な症状については、記事の最後の見出しで詳しく紹介しているので、そちらを参考にしてみてください。
新生児黄疸が悪化するとどうなる?
新生児黄疸は、記事の冒頭でも紹介した通り、生まれたての赤ちゃんがほとんどかかる病気の1つでもあります。基本的には適切な治療を受ければ、過度に心配をする必要がない病気です。
ただ、稀に新生児黄疸が悪化する可能性もあるのです。新生児黄疸が悪化すると、核黄疸が重大な脳の損傷につながる可能性があります。
各黄疸が重大な脳の損傷につながることで、発達の遅れ、脳性麻痺、難聴、けいれんなどが生じることもあります。
最悪の場合は、命を落とす危険性もあるのです。現在では、ほとんど見られない症状にはなってきているものの、黄疸の症状が見られたらすぐに対処する必要があります。
新生児黄疸はいつごろまで続くの?
そもそも新生児黄疸はいつ頃まで続くのでしょうか?先ほど見出しで紹介したように、新生児黄疸の危険な症状を知ると、いつ頃まで続くのか、知っておきたくなりますよね。
新生児黄疸は、生まれてから2〜3日程度で症状が現れるようになります。生後1週間ごろでピークを迎え、少しずつ落ち着き始めます。生後2週間頃にはほとんど症状が消えていることでしょう。
個人差はありますが、ほとんどの赤ちゃんが生後2ヶ月ごろには落ち着きます。
生後2ヶ月を過ぎても、新生児黄疸の症状が見られる場合は、小児科を受診する必要があります。
新生児黄疸の効果的な3つの治療法
生まれてから2〜3日程度で症状が表れ、生後1週間ごろでピークを迎える新生児黄疸ですが、黄疸の数値が高かった場合、治療する必要があります。
新生児黄疸は、適切な治療を受ければ改善します。しかし「小さい体の赤ちゃんに治療するなんて…」と不安を感じるパパやママもいるかもしれませんね。
どんな治療をするのかを事前に把握できているだけでも、不安な気持ちを取り除くことができるのではないでしょうか。
- 母乳やミルクをたっぷり飲ませる
- 光線療法
- 交換輸血
上記の3つの方法が、新生児黄疸の効果的な治療法です。次の見出しで詳しく解説していきます。
治療法1:母乳やミルクをたっぷり飲ませる
新生児は大人に比べ血液の濃度が高いといわれています。そのため、大人に比べて黄疸になりやすいといわれているのです。
血液の濃度を薄めるために、母乳やミルクをたっぷり飲ませることが大切です。たくさん水分補給をさせることで、血液の濃度が薄くなり、ビリルビンの数値も下がってきます。
また、便をたくさん出すことも黄疸の治療につながります。たくさん母乳やミルクを飲ませることで、腸が活発に動き、排便を促しましょう。
治療法2:光線療法
目にテープを当て、青い光を当てている赤ちゃんを見たことがあるパパやママも多いのではないでしょうか。
目にテープを当てて、青い光を当てることが、新生児黄疸の効果的な治療法の1つです。血液中に含まれるビリルビンの数値が高かった場合、光を当てることでビリルビンを分解するのが効果的な治療法です。
ただ、生まれたての赤ちゃんの目にテープを当てて、青い光を当てる治療法は、パパやママにとって心が痛くなるかもしれません。
しかし、青い光に当てられている時間は、赤ちゃんは痛みを感じていません。しっかり治療することの方が大切なので、見守ってあげてください。
治療法3:交換輸血
基本的には治療法2で紹介した「光線療法」でほとんどの赤ちゃんの黄疸が改善するため、交換輸血まで必要な事はほとんどありません。
今回の記事では、あくまでも、新生児黄疸の治療療法の1つとして紹介させていただきます。
交換輸血の方法は、赤ちゃんの血液を少量取り出し、取り出した血液の養分ドナーの血液を、赤ちゃんの体内に輸血します。
交換輸血を行えば、血液中のビリルビンを除去することができるので、数値を速やかに下げることが可能です。
新生児黄疸の危険な症状の見分け方
「新生児黄疸はほとんどの赤ちゃんがなるっていうし、心配しなくても大丈夫!」と軽視するのは危険です。
新生児黄疸は、実際にほとんどの赤ちゃんがなりますし、適切な治療を受ければ治るので、過度な心配をする必要はありません。
ただし、軽視するのは危険な病気でもあります。場合によっては、重篤な症状を引き起こす可能性のある病気でもあるからです。
最後に、新生児黄疸の危険な症状の見分け方を紹介します。
- 便が全体的に白っぽくなっている場合
- 生後2週間たっても肌の黄味が引かない場合
上記のような症状が見られた場合には、速やかに小児科を受診しましょう。
見分け方1:便が全体的に白っぽくなっている場合
便全体が白っぽくなっている場合は危険信号です。速やかに小児科を受診しましょう。
ただし、通常の便に白いブツブツが混ざっているような便であるなら問題はありません。茶色っぽい便の中に白いブツブツが混ざっているのは、母乳やミルクの残り数が混ざっていると考えられます。
小児科を受診するほど危険な症状である便の特徴は、ヨーグルトのような見た目の便になっている場合です。
見分け方2:生後2週間になっても肌の黄味が引かない場合
「新生児黄疸はいつまで続く?」の見出しでも紹介したように、黄疸は生後1週間程度で落ち着くことがほとんどです。出産して、1週間前後は産院に入院している方が多いでしょう。
つまり、退院する頃には、新生児黄疸が落ち着いていることがほとんどです。しかし、稀に退院時にも黄疸の症状が見られる場合があります。
よほど数値が高くなければ、ママと一緒に退院することはできます。ただ、生後2週間経っても黄疸の症状が一向に落ち着く様子が見られないなら、産院に相談をしましょう。
新生児のほとんどが黄疸にかかる!
新生児黄疸にはどのような症状が見られ、悪化するとどんな危険性があるのか、また効果的な治療法を紹介しましたが、いかがでしたか?
今回の記事では、新生児黄疸の危険性についても紹介しました。脳に重篤な障害が起きると聞くと、とても怖いですよね。しかし、新生児黄疸はほとんどの赤ちゃんがかかる病気です。黄疸の数値が高かったとしても、きちんと治療を受ければ完治する病気です。
重篤なトラブルを引き起こさないためにも、危険な症状の見分け方を把握しておきたいものですね。
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