新生児は、母親から免疫を獲得しているため、生後半年までは病気にかかりにくいといわれています。そのことから「新生児は風邪とは無縁」と思っているパパやママも多いです。
そんな新生児が繰り返しくしゃみをしていたらどうでしょう。「免疫を獲得しているはずなのに、風邪をひいているのかな?」と心配になるはず。
今回の記事では、新生児がくしゃみを繰り返す原因を紹介しています。くしゃみの回数が多くなる時期や対処法も併せて解説しているので、最後まで読んでみてください。
新生児がくしゃみをするのは心配しなくても大丈夫?
新生児が繰り返しくしゃみをしていると「もしかして風邪をひかしてしまったのかな?」と心配になりますよね。
- 鼻水
- 鼻づまり
- 咳き込み
- 発熱
くしゃみ以外に上記で紹介したような症状が出ていなければ、基本的には過度な心配をする必要はありません。
新生児のくしゃみは原始反射の一種
「くしゃみ=風邪」と認識してしまいがちですが、新生児のくしゃみは原始反射の1種ともいわれています。
「原始反射」と聞いてもいまいちピンとこないパパやママもいるかもしれませんね。原始反射とは「赤ちゃんが生まれたときから備えている反射的な運動のこと」のことを指します。
くしゃみ以外にも、下記のようなものを原始反射といいます。
- モロー反射
- バビンスキー反射
- 吸てつ反射
- 検索反射
- 歩行反射
赤ちゃんが生きていくために必要な反射です。このことを理解することができれば、くしゃみをしているからといって、過度な心配をする事はなくなりそうです。
新生児のくしゃみの回数が多くなる4つの理由
それでは早速、新生児のくしゃみの回数が多くなる理由を紹介していきます。
新生児のくしゃみが増える理由は、下記の4つが主に挙げられます。
- 新生児は鼻の粘膜への刺激に弱いから
- 新生児はまだ鼻毛が生えそろっていないから
- 何らかのアレルギーをもっているから
- 風邪を引いているから
次の見出しで、早速解説していきましょう。
理由1:新生児は鼻の粘膜への刺激に弱いから
新生児は生まれるまで、お母さんのお腹の中で守られていました。生まれてきたからといって、すぐに刺激に強くなれるわけではありません。
つまり、赤ちゃんは鼻の粘膜への刺激にもとても弱いのです。
鼻の粘膜への刺激に弱いことから、外気中のウィルスや菌、ほこりなどから身を守るためにくしゃみの回数が多くなります。
理由2:新生児はまだ鼻毛が生えそろっていないから
生まれたての新生児を見て、眉毛やまつげが生え揃っていないことに驚いたパパやママも多いのではないでしょうか。
体毛が濃いのが特徴の赤ちゃんでも、眉毛やまつげが生え揃っていないことが多いです。鼻毛も同様で、眉毛やまつげと同じように生え揃っていません。
鼻毛がしっかり生えている大人でも、くしゃみが出るわけですから、鼻毛が少ない赤ちゃんのくしゃみが多くなるのは当然です。
理由3:何らかのアレルギーをもっているから
赤ちゃんのくしゃみの回数が多いように感じるのであれば、何らかのアレルギーを持っている可能性も考えられます。
待機中には、さまざまなアレルギー物質が存在しています。中には犬や猫などペットを飼っているご家庭もあることでしょう。
花粉やハウスダストなどに敏感な赤ちゃんもいます。
- 犬や猫など特定の物質が近づいたタイミングでくしゃみが出る
- 透明でサラサラした鼻水が出ている
上記のような症状が見られる場合は、アレルギーの可能性を考えた方が良いでしょう。
理由4:風邪を引いているから
これまでに紹介したくしゃみの原因は、基本的には赤ちゃんが自分の体を守るために備わっている原始反射の1種でした。
しかし、くしゃみが必ずしも原始反射とは限りません。赤ちゃんはお母さんから免疫を獲得して生まれてきていますが、絶対に風邪を引かないわけではありません。
風邪が原因で、くしゃみが出ているようであれば、くしゃみ以外に他の症状が見られるはずです。
くしゃみの原因が風邪であるときの症状は、別の見出しで紹介しているので、そちらをご参考ください。
くしゃみの回数が多い新生児への4つの対処法
新生児のくしゃみの回数が多いのは、原始反応の1種だと理解できたとしても、繰り返すくしゃみをほっとくのは心苦しいですよね。
パパやママがくしゃみの回数が多い赤ちゃんにできる対処法があります。
- 部屋を快適な環境に整える
- 部屋を換気する
- アレルギーがある場合はアレルゲンから離す
- 水分補給をさせる
上記4つの方法が、くしゃみを繰り返す赤ちゃんにできる対処法です。
「くしゃみが多くて、苦しそう…」と感じるようであれば、ぜひ試してあげてくださいね。
対処法1:部屋を快適な環境に整える
部屋を快適な環境に整えてあげることが重要です。新生児にとって快適な室温は20度から25度程度です。湿度は50%から60%をキープしていれば、快適に過ごせているでしょう。
基本的には、大人が快適に過ごせている環境で、赤ちゃんも快適に過ごせています。
また、部屋を常に清潔にキープしておくことも大切です。ほこりっぽい部屋で赤ちゃんが過ごすと、ハウスダストが充満し、くしゃみや鼻水が出やすい傾向があります。
対処法2:部屋を換気する
寒い季節は、つい窓を締め切って、空気の入れ替えを忘れてしまいがちです。また、夏場に冷房を稼働させている場合、暖かい空気を入れないために、換気の回数が少なくなることもあるでしょう。
しかし、換気の回数が少なくなると、室内が快適な環境ではなくなってしまいます。
定期的に換気をし、空気の入れ替えをするようにしましょう。
対処法3:アレルギーがある場合はアレルゲンから離す
赤ちゃんがアレルギーを持っている場合には、できるだけアレルギーから離す必要があります。
赤ちゃんが生まれる前から、犬や猫などペットを飼っているご家庭もあるでしょう。ただ、赤ちゃんが犬や猫アレルギーを持って生まれてくることがあります。
その場合は、赤ちゃんができるだけ犬や猫に近づかなくて済む環境を作ってあげることが大切です。
赤ちゃんが過ごす部屋とペットが過ごす部屋を分けたり、赤ちゃんが過ごす空間とペットが過ごせる空間を開けたりなどで対応しましょう。
対処法4:水分補給をさせる
乾燥しているとくしゃみが多くなる傾向があります。できるだけ水分補給をさせるようにしましょう。
母乳やミルクで水分補給をさせることもできますが、生後1ヵ月を過ぎたら、麦茶を与えて水分補給をさせるのもおすすめです。
麦茶にはミネラル分が豊富に含まれているので、くしゃみだけでなく熱中症対策にもなります。
新生児のくしゃみが増えるタイミング
新生児のくしゃみが多いのは、原始反射の1種です。ただし、季節や成長過程において、くしゃみが増えるタイミングがあるのです。
新生児のくしゃみが増えるタイミングを把握しておくことで、パパやママが対策を取りやすくなります。新生児のくしゃみが増えやすくなるタイミングは、下記の2点です。
- 生後2ヶ月ごろ
- 季節の変わり目
タイミング1:生後2ヶ月ごろ
生まれてから生後1ヵ月ごろまでは、おうちで過ごすことがほとんどでしょう。生後1ヶ月で、少しずつ外気に触れるようになります。生後2ヶ月を過ぎれば、少しずつ外に出る時間も長くなってくるでしょう。
つまり、これまで触れてこなかった外壁のウィルスや菌に触れる機会が多くなるのが生後2ヶ月を迎えてからです。
くしゃみが多くなる理由の見出しでも紹介したように、赤ちゃんの鼻毛はとても薄いのが特徴です。
新生児の鼻毛はとても薄いため、呼吸で吸い込んだ菌やウィルスが排出されることなくそのまま体内に取り込まれてしまいます。
タイミング2:季節の変わり目
大人でも季節の変わり目は風邪をひきやすいですよね。母乳を飲んでいる赤ちゃんは、ママから直接免疫は獲得していますが、季節の変わり目はやはり体調を崩しやすくなります。
生まれてすぐは、体温調整が難しく体調を崩してしまいがちです。室温や湿度、着ているものや寝具で調整してあげましょう。
上記のタイミングで、なぜくしゃみが増えやすくなるのか、早速解説していきます。
新生児のくしゃみから風邪を判断するポイント
これまで、新生児のくしゃみの回数が増えるのは、原始反射の1種だと紹介してきました。しかし、必ずしも原始反応の1種で心配が必要のないくしゃみだとは限りません。
なぜなら、風がくしゃみの原因になっているとも限らないからです。しかし、言葉で自分の体調や気持ちを伝えることができない新生児です。
体調の変化に気付くポイントがわからなくて、不安を抱えているパパやママも多いのではないでしょうか。
新生児のくしゃみから風邪を判断するポイントは、下の3つが挙げられます。
- 鼻水や鼻づまりが目立つ
- 咳や痰が目立つ
- 発熱をしている
次の見出しでは、風邪を判断するポイントについて詳しく解説していきましょう。
ポイント1:鼻水や鼻づまりが目立つ
鼻水や鼻づまりが目立つようなら、風邪やアレルギーが原因の可能性が高いです。
黄色っぽかったり、青っぽい粘りのある鼻水が出ているようなら、風邪をひいている可能性が高いです。
無色透明でサラサラとしている鼻水が出ているようなら、アレルギーが原因の可能性が高いでしょう。
ポイント2:咳や痰が目立つ
咳や痰が目立つようなら、くしゃみの原因は風邪の可能性が高いです。
新生児のうちに繰り返し咳をしていると、気管支炎を併発する可能性があります。気管支炎は悪化すると肺炎になってしまいますので、できるだけ速やかに小児科を受診したほうが良いでしょう。
ポイント3:発熱をしている
体温が38度以上あるようなら、くしゃみの原因は発熱です。大人だと体温が37.5度以上あれば、発熱といわれていますが、新生児の体温は高いため、37.5度程度だと発熱とは言い切れません。
また、新生児の発熱に気づくためには平熱を把握しておく必要があります。定期的に体温を測り、赤ちゃんの平熱を把握しておきましょう。
新生児が発熱しているようであれば、重篤な症状に悪化する前に速やかに小児科を受診しましょう。
新生児のくしゃみは実は自然なこと
新生児がくしゃみを繰り返す原因、回数が多くなる時期、対処法を紹介しましたが、いかがでしたか?
くしゃみが多くなると、風邪を心配するのは突然です。しかし、新生児のくしゃみは、実は自然なことで、必ずしも風邪が原因であるとは限りません。
新生児が生きていくために備わっている原始反射の1種だと思えば、赤ちゃんのくしゃみも愛しいと思って見守ることができそうです。
ただ、くしゃみ以外に咳や鼻水、発熱など別の症状が見られるようなら、小児科を受診したほうが良いでしょう。
「小児科を受診したほうがいいのかな?」「どこか体調が悪いのかな?」とパパやママが感じるようなら、不安な気持ちを抱えたまま育児をするよりも、小児科を受診して、不安な気持ちを解消しましょう。
本メディアでは育児のさまざまなお悩みを解決すべく、ママライターが記事を執筆しています。
ぜひ他の記事もチェックしてくださいね!
ママの感想・意見交換スペース