赤ちゃんが全員同じペースで成長する事は無いと頭では理解していても、我が子の体重が成長曲線より下回っていたり、思うように体重が増えないと心配になるのも当然です。
今回の記事では、新生児の体重があまり増えない理由について紹介しています。理想的な体重増加のペースや体重が増えないときの対処法も併せて解説しています。
新生児の体重がなかなか増えなくて、不安を抱いているパパとママは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
新生児の体重があまり増えていなくて心配…
生まれたばかりの赤ちゃんの体重があまり増えないと、心配になるのも当然です。はじめての育児であれば、右も左もわからず、つい参考にするのは、育児書やネットに書かれている記事ばかりですよね。
子供の体重の増え方が、育児書やネットに書かれている記事に記載されている体重の増え方より少なければ「もしかして、病気なのかも…」と不安になることもあるでしょう。
理想的な体重の増え方の目安やペースはありますが、あてははまっていないからといって、絶対に良くないわけではありません。
その子にとっての理想のペースで増えていれば問題ないのです。
新生児期の理想的な体重の増え方の目安とは?
先程飲み出しで「その子にとっての理想のペースで体重が増えていれば問題ない」と記載したものの、体重の増え方の目安は把握しておきたいと思うママが多いはず。
新生児期の理想的な体重の増え方の目安は、1日に30グラムから50グラム程度増加し、生後1ヵ月を迎えるタイミングで、出生体重から1キロ程度増えていれば理想です。
新生児は、生まれてから1度体重が減少します。そこからは減少することなく増えていきます。
1日の増加体重が目安から外れていたとしても、減少することなく確実に増えていれば、基本的には問題ありません。
新生児の体重があまり増えない3つの理由
理想の体重の増え方のペースより下回っていたとしても、赤ちゃんが元気で過ごせているようであれば、基本的には問題ありません。
しかし、できることなら人並みに成長させたいと思うのが親心でしょう。
新生児の体重をしっかり増やしたいと思っているのであれば、体重があまり増えない理由から知ることが大切です。
- ミルクの量が足りていない
- 赤ちゃんの運動量が多い
- なんらかの病気がある可能性も…
上記の3つが新生児の体重があまり増えない理由だといわれています。次の見出しで詳しく解説していきましょう。
理由1:ミルクの量が足りていない
新生児の体重が増えない1番の理由は、ミルクの量が足りていないからだと考えられます。母乳やミルクの量が足りていなければ、必要な栄養分を吸収することができず、体重が増えないのも当然です。
とは言え、ミルクや母乳が足りているのか、どうか判断するポイントが分からないこともあるでしょう。
赤ちゃんのミルクが足りているのか、判断するポイントは主に3つあります。
- 授乳の間隔が3時間空く
- おしっこ回数が1日6回以上ある
- 元気があって肌にツヤがある
上記のポイントを参考にしてみてください。
それでも不安な場合には、赤ちゃんがどれくらいの量を飲めているのか、授乳後に把握するのもおすすめです。
授乳前にお母さんが赤ちゃんを抱っこした状態で体重計に乗り、授乳後にもう一度同じ状態で体重計に乗ります。
授乳後の体重から、授乳前の体重を引くことで、赤ちゃんがどれくらいの量のミルクを飲めているのか把握することができます。
理由2:赤ちゃんの運動量が多い
たくさんミルクや母乳を飲んでいても、運動量が多ければ、消費カロリーが多くなり、体重の増加が鈍くなるのも当然です。
体を動かしている時間だけが運動量につながっているわけではありません。眠っている間も、カロリーは消費されているため、よく眠っていて体をあまり動かしていない赤ちゃんでも、体重が増えにくい事はあります。
理由3:なんらかの病気がある可能性も…
基本的に、赤ちゃんの体重があまり増えないのは「個人差」と括ることができますが、場合によっては何らかの病気を抱えている可能性も否定はできません。
体重があまり増えない新生児が抱えている病気については、別の見出しで詳しく解説しているので、そちらを参考にしてみてください。
体重があまり増えない新生児への対処法
先程の見出しで、新生児の体重があまり増えない理由について紹介しました。次に紹介するのは、体重があまり増えない新生児への対処法です。
体重があまり増えない新生児への対処法は、下記の4つ方法があります。
体重があまり増えない新生児への対処法
我が子の体重があまり増えないと心配になるのも当然です。できることならなんとかしてあげたいと思うことでしょう。
体重があまり増えなくて心配なら下記の対処法を試してみてください。
- 元気に成長しているのであれば気にしない
- ミルクや母乳の量を増やしてみる
- 授乳中の姿勢を変えてみる
- 混合授乳に移行してみる
それでは早速詳しく解説していきましょう。
対処法1:元気に成長しているのであれば気にしない
成長曲線から体重が下回っていたり、理想的な体重の増え方のペース通りに体重が増えていなくても、赤ちゃんが元気に成長しているようであれば、基本的に気にする必要はありません。
体重の増え方のペースに個人差があるように、適切なミルクの量にも個人差があります。体重をしっかり増やそうとするあまり、胃袋の容量以上に授乳をさせることで、吐き戻しなどのトラブルを招く可能性もあります。
対処法2:ミルクや母乳の量を増やしてみる
ミルクや母乳の量が足りないようであれば、1回の授乳量を増やしましょう。
生まれて生後1週間までの赤ちゃんは、生後0日で10mlからスタートし、日々10mlずつ追加しながら授乳量を調整するのが一般的です。
生後1週間頃までは、産院にいることが多く、助産師さんのアドバイスに従いましょう。
退院してから生後2週間の赤ちゃんには1回80ml程度を3時間間隔で与えるのが基本といわれています。3時間に1回授乳を行うと、1日8回程度授乳の時間があるのが一般的です。
生後3週間を迎えると、1度のミルクの量がぐっと増え一般的には、1回100~120mlの量を飲めるようになります。また、少しずつ授乳間隔が開く子も増えてきます。3~4時間間隔で1日に6~8回程度授乳できれば理想です。
対処法3:授乳中の姿勢を変えてみる
授乳に時間がかかったり、理想的な量を飲めない場合には、授乳の体制が合わない可能性が考えられます。
授乳といえば、横抱きというイメージも強く、基本的に横抱きにして授乳をしているママが多いのではないでしょうか。
しかし、授乳の姿勢も決まりがあるわけではありません。1番大切なのは、ママと赤ちゃんが授乳しやすい姿勢を見つけることです。
- 横抱き
- 脇抱き
- フットボール抱き
など、さまざまな授乳姿勢を試してみましょう。
対処法4:混合授乳に移行してみる
「できるだけ母乳で育てたい」と思っているママも多いのではないでしょうか。しかし、はじめての育児だと、母乳で育てたいと思っていても、なかなか軌道に乗らないこともあります。
「母乳をしっかり飲めている」と思っていても、実際にどれだけの量を飲めているのか把握することはできません。
もしかすると、母乳がしっかり出ていなくて、飲む量が足りていない可能性も考えられます。
母乳のみで育てているママは、一度どれくらいの量を赤ちゃんが飲めているのか測ってみてもいいかもしれません。
万が一、母乳の量が理想の量より足りていないようであれば、母乳育児はそのままで、少しミルクを足す「混合授乳」に移行するのをおすすめします。
できるだけ母乳で育てたいと思っているのであれば、母乳が軌道に乗り始めたタイミングでミルクを少しずつ減らして行けばいいのです。
まずは、ママの理想よりも、赤ちゃんを健やかに成長させることを大切にしてあげましょう。
体重があまり増えない新生児に考えられる病気
新生児の体重の増加ペースが、理想より下回っていたとしても元気で過ごせているようであれば、基本的には問題ありません。
しかし「新生児の体重があまり増えない理由」でも紹介したように、場合によっては病気を持っている可能性が考えられます。
- 牛乳アレルギーを持っている
- 心不全や多呼吸を伴う先天性心疾患
- 風邪
- 肥厚性幽門狭窄症
- クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)
上記の5つが、体重があまり増えない新生児に考えられる病気です。次の見出しで詳しく解説していきます。
牛乳アレルギーや消化器管アレルギーを持っている
赤ちゃんのアレルギーについて敏感になるのは生後5ヶ月から6ヶ月ごろに離乳食を始めるタイミングだと思っている。パパやママも多いでしょう。
しかし、牛乳アレルギーや消化器アレルギーについては、赤ちゃんの哺乳量が少ないことで、発覚するケースもあります。
牛乳アレルギーや消化器アレルギーを持っている赤ちゃんには、別の方法で栄養補給する必要があるため、小児科の先生から適切なアドバイスをもらう必要があります。
心不全や多呼吸を伴う先天性心疾患
心不全や多呼吸を伴う先天性心疾患があれば、1度の授乳回数が少ないにもかかわらず、消費量が増えてしまうため、体重が増えない傾向があります。
気になる場合は、速やかにかかりつけの小児科を受診しましょう。
風邪
風邪をひいていると鼻づまりを併発することがあるでしょう。鼻が詰まっていると大人でも飲み物が飲みにくく感じますよね。
赤ちゃんも同じで、鼻が詰まっている状態では、必要な量のミルクや母乳が飲めなくなってしまいます。
肥厚性幽門狭窄症
生後2週間から2ヶ月ごろによく見られる病気の1つです。この病気は、胃の出口の筋肉が肥厚することが原因で起こります。
胃の出口の筋肉が、肥厚することにより母乳・ミルクが飲めなくなってしまうのです。飲んだミルクや母乳を頻繁に、噴水のように吐き出す様子が見られます。
クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)
先天的な甲状腺機能の異常により、甲状腺ホルモンが欠乏する病気が原因で体重が増えない可能性も考えられます。
体重が増えない新生児を受診する目安
新生児の体重があまり増えなくても、元気があるようなら基本的には心配ありません。しかし、場合によっては小児科を受診した方が良いことももちろんあります。
下記のような症状が見られた場合には、速やかにかかりつけの小児科を受診するようにしましょう。
- ミルクの吐き戻しが原因で脱水症状になっている時
- 元気がなくぐったりしている症状がみられた時
上記の2点について、最後に解説していきます。
ミルクの吐き戻しが原因で脱水症状になっている時
1日数回の吐き戻しであれば問題はありませんが、授乳のたびに吐いているようなら、きちんと栄養が取れなくなる可能性があります。
元気がなくぐったりしている様子が見られた時
元気がなくぐったりしている様子が見られた場合には、速やかにかかりつけの小児科を受診をしましょう。
元気がないということは、何らかの異変が起きている可能性が考えられます。
体重があまり増えない赤ちゃんの体調の変化には常に気づける状態にしておきましょう。
新生児の体重が増えなくても過度な心配はしなくて大丈夫!
新生児の体重があまり増えない理由、理想的な体重増加のペースや体重が増えないときの対処法について紹介しましたがいかがでしたか?
新生児の体重の理想の増え方の目安等が記載されていることで、パパやママが不安に感じることもあるでしょう。
しかし、体重の理想の増え方はあくまでも目安です。小さく生まれた赤ちゃんは、成長曲線を常に下回っているかもしれません。反対に、大きく生まれた赤ちゃんは、成長曲線からはみ出すことももちろんあります。
大人でも体重に個人差があるように、当然新生児にもあります。つまり、成長曲線からはみ出していたり、下回ったりしていても、過度に心配する必要はありません。
「成長曲線まで成長させなくちゃ!」とママの気持ちが焦ることや、そのせいでたくさんミルクを飲ませたりすることの方が問題です。
「体重の増え方目安はは、あくまでも目安であって、必ずしも当てはまるわけではない」と理解をしておくことが大切です。
もちろん、場合によっては赤ちゃんが何らかの病気を抱えていることもあります。体重の増え方以外にも、気になる症状がある場合には、すぐにかかりつけの小児科を受診するようにしましょう。
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