新生児の栄養源はママから与えられる母乳やミルクしかありません。3時間に1回の間隔で授乳は行う必要がありますが、授乳をするたびにミルクを吐き戻してしまう赤ちゃんもいます。
ミルクを吐き戻していると「ちゃんと栄養取れているのかな?」と不安になりますよね。
今回は、新生児の頻繁なミルクの吐き戻しが心配なパパとママにぴったりの内容になっています。ミルクを吐き戻す原因、対処法や考えられる病気について紹介しています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
新生児が繰り返しミルクを吐き戻すのは大丈夫?
新生児が繰り返しミルクを吐き戻すと心配ですよね。
- 「きちんと栄養取れているのかな?」
- 「もしかして何か病気があるのかな?」
上記のように不安を感じるのは当然です。
しかし、飲んだミルクを吐き戻したからといって、すべて出ているわけではありません。頻繁に吐き戻したからといって、栄養が取れていないわけではないので、心配はいりません。
ただ、先天性の病気が原因で、繰り返しミルクを吐き戻してしまう可能性も必要はできません。赤ちゃんが抱えている病気に速やかに気づくためにも、日ごろから様子をチェックしておく必要があります。
新生児がミルクを吐き戻してしまう5つの原因
それでは早速、新生児がミルクを吐き戻してしまう原因について紹介していきましょう。
- 一度の授乳の量が多いから
- 母乳やミルクと一緒に空気を飲み込んでいるから
- 母乳やミルクを飲むスピードの調整ができないから
- 消化器官が未発達だから
- なんらかの病気がある可能性も…
新生児が頻繁にミルクを吐き戻す原因を把握できるだけでも、ママの気持ちが少し楽になることもありますよ。
原因1:一度の授乳の量が多いから
新生児は、口に入ってきたものをに吸い付く「吸啜反射」が備わっています。吸啜反射は生きていくために必要な原始反射の1種です。
つまり、お腹が空いているから、母乳やミルクに吸い付いているわけではなく「口に入ってきたから、母乳やミルクに吸い付いている」可能性もあるのです。
泣いたらすぐに授乳をしている事はありませんか?また、たくさん飲むからといって、適正な量以上のミルクを与えてはいませんか?
新生児の胃袋の容量は想像しているよりもとても小さいです。胃袋の容量以上のミルクを飲んでいるなら、頻繁に吐き戻してしまうのも無理ありません。
原因2:母乳やミルクと一緒に空気を飲み込んでいるから
母乳やミルクと一緒に空気を飲み込んでいることが原因で、頻繁にミルクを吐き戻す赤ちゃんがいます。
特に哺乳瓶でミルクを飲んでいる赤ちゃんに多い傾向があります。哺乳瓶の中に含まれている空気をミルクと一緒に飲んでしまうのです。
授乳後にはほとんどのママがゲップをさせていることでしょう。空気をたくさん飲んでしまう赤ちゃんは、1度のゲップではきちんと空気を吐き出すことができません。
原因3:母乳やミルクを飲むスピードの調整ができないから
赤ちゃんは母乳やミルクを飲むスピードの調整がうまくできません。吸啜反応は備わっていますが、勢い良く口の中に入ってくる母乳やミルクを飲む力が備わっていないのです。
勢い良く母乳やミルクを吸っても、飲む力が備わっていないため、むせて吐き戻してしまうことがあります。
原因4:消化器官が未発達だから
消化器管が未発達なことが原因で飲んだ母乳やミルクを吐き戻してしまいます。生まれたての赤ちゃんの内臓は、大人のように複雑な構造になっていません。
ぐねぐねしている大人の内臓と同じ構造ではなく、まっすぐに作られているため、吐き戻しやすいのです。
消化器官は成長するにつれ自然と発達していきます。今は頻繁に吐き戻しをしていても、月齢を重ねると少しずつ回数が少なくなるでしょう。
原因5:なんらかの病気がある可能性も…
これまで紹介した原因は、すべて赤ちゃんが成長するにつれ、少しずつ改善させられる理由ばかりでした。
しかし、中には何らかの病気を抱えているせいで、頻繁にミルクを吐き戻してしまっている赤ちゃんも存在します。
頻繁にミルクを吐き戻してしまう病気については、別の見出しで詳しく解説しているので、そちらを参考にしてみてください。
新生児がミルクを吐き戻すのはいつごろ落ちつく?
新生児がミルクを頻繁に吐き戻すからといって、過度に心配をする必要はありません。
しかし、月齢を重ねても吐き戻す回数が減らないと心配になるのも当然です。もちろん、1日に何度も着替えさせたり、寝具を洗濯しなければならないのも、パパとママにとって負担ですよね。
基本的には、生後4ヶ月から5ヶ月ごろには落ち着くといわれています。
落ち着く時期には個人差があるため、あくまでも目安として認識しておく必要があります。
ミルクを吐き戻した新生児への適切な対応とは?
ミルクを吐き戻した新生児には、どのような対応をとれば良いのでしょうか?いきなり大量の母乳やミルクを吐き戻すと慌ててしまうのも当然です。
適切な対応を知っておくことで、慌てずに対応できますよ。
- 顔や口の周りを清潔にしてあげる
- 必要があれば衣類を着替えさせてあげる
- 必要に応じて水分補給をさせてあげる
それでは早速、次の見出しで紹介していきます。
対応1:顔や口の周りを清潔にしてあげる
吐き戻した後の顔や口の周りは、母乳やミルクが付着していることでしょう。まずは顔や口の周りを清潔にしてあげることが大切です。
母乳やミルクが付着した状態のまま過ごしていると、ベタベタするだけではなく、肌が乾燥し肌荒れの原因になってしまいます。
水で濡らしたガーゼなどで優しく拭き取ってあげましょう。
対応2:必要があれば衣類を着替えさせてあげる
勢い良く母乳やミルクを吐き戻すと衣類が汚れる可能性があります。その場合は衣類を着替えさせてあげましょう。
また、寝具が汚れているようであれば、取り替える必要があります。
寝具を繰り返し取り替えるのは、負担に感じることもあるでしょう。その場合は、寝具の上に防水シートをかぶせておくことで、布団に吐き戻した母乳やミルクが付着する心配がなくなります。
汚れが付着した時は、防水シートのみを取り替えれば良いだけなので、負担がかなり軽減できます。
吐き戻しの心配がなくなり、防水シートの必要がなくなったとしても、おむつを外すタイミングで、活用できるので、購入しておくと便利です。
対応3:必要に応じて水分補給をさせてあげる
必要に応じて水分補給をさせてあげましょう。水分補給は、母乳やミルクのみでも充分ですが、場合によっては麦茶を与えるのもおすすめです。
麦茶は生後1ヵ月を過ぎてから与えることができます。ベビー用品販売店などで、赤ちゃん用の麦茶が販売されています。
大人と同じ麦茶を与える場合は、5倍程度に薄めてあげるようにしましょう。
麦茶は母乳やミルクに含まれていないミネラルが豊富に含まれています。小さい頃から麦茶の味に慣れさせていると、熱中症対策もしやすくなるのでおすすめです。
新生児のミルクの吐き戻しに悩むママができる対処法4選
新生児のミルクの吐き戻しは、基本的には心配ないとは紹介しました。しかし、繰り返しミルクを吐き戻している赤ちゃんを見ていると「何とかしてあげたい!」と思うのは当然でしょう。
- 1回の授乳の量を調整してあげる
- リラックスした状態で授乳をしてあげる
- 授乳の体勢を縦抱きにしてあげる
- こまめにゲップをさせてあげる
上記の4つの方法が、ミルクを繰り返し吐き戻す赤ちゃんにできるパパとママの対処法です。
対処法1:1回の授乳の量を調整してあげる
まずは1回の授乳量を調整してあげることから始めてみましょう。「赤ちゃんがミルクを吐き戻す原因」の見出しでも紹介した通り、赤ちゃんの胃袋の容量はとても小さいです。
容量以上のミルクを飲んでいるようなら、負荷がかかったタイミングで吐き戻してしまうのは当然です。
授乳は3時間に1回の間隔で行いましょう。泣いたからといって必ずしもミルクを欲しがっているわけではありません。また1回の授乳量は、月齢に合った量を与えてあげましょう。
対処法2:リラックスした状態で授乳をしてあげる
お腹がペコペコに空いている状態で、母乳やミルクを与えると勢い良く吸ってしまいます。勢い良く吸ったミルクを飲み込むことができず、むせて吐き戻している赤ちゃんには、できるだけリラックスした状態で授乳をしてあげることが大切です。
先程の見出しで「授乳は3時間に1回の間隔で行う」と紹介しました。1回授乳をしてから3時間後に授乳をする場合、赤ちゃんが泣いたタイミングで授乳を行うと、リラックスした状態での授乳は難しくなります。
赤ちゃんがミルクを求めて、泣き始める前に授乳タイムをとってあげましょう。
また、母乳の勢いが強い場合は、授乳の前に母乳を一度絞って勢いを調整してから与えると良いですよ。
対処法3:授乳の体勢を縦抱きにしてあげる
授乳の体制を変えてあげるだけでも吐き戻しの回数が軽減できることがあります。
授乳は横抱きで行っているママが多いのではないでしょうか。
しかし、横抱きが必ずしも赤ちゃんにとってベストな授乳体勢だとは限りません。
- フットボール抱き
- 縦抱き
- 脇抱き
というように、ぜひ他の授乳体勢も試してみてください。
対処法4:こまめにゲップをさせてあげる
授乳中に空気をたくさん飲んでいるようであれば、こまめにゲップをさせてあげるようにしましょう。
授乳後にはゲップをさせているママがほとんどでしょう。しかし、ゲップが1回出たからといって、体内に含まれた空気が全て出ているとは限りません。
中には授乳をして、すぐはゲップが出ないけど、少し時間をおいたらゲップが出る赤ちゃんもいるでしょう。
大人でも時間差でゲップが上がってくることもありますよね。
吐き戻しが多い赤ちゃんには、こまめにゲップをさせてあげるのがおすすめです。
吐き戻したミルクを誤飲させないための2つの予防
頻繁にミルクを吐き戻す赤ちゃんに対する心配は、きちんと栄養が取れていないことの他に「ミルクを誤飲してしまうのではないか?」ということではないでしょうか。
吐き戻した誤飲し、窒息する可能性がないとは言い切れません。
誤飲させないためには、予防しておくことが大切です。
- 授乳のあとはゲップをさせる
- 少しの空いた頭を高くした状態にしておく
次の見出しで詳しく解説していきましょう。
予防1:授乳のあとはゲップをさせる
基本的なことではありますが、授乳の後はきちんとゲップをさせることが大切です。お腹の中に空気が溜まっていると、ゲップが上がってきます。そのゲップとともに、母乳やミルクを吐き戻してしまうのです。
きちんとゲップをさせておくことで、吐き戻しの予防ができます。
予防2:少しの空いた頭を高くした状態にしておく
授乳してから少しの間は頭を高くした状態にしておくのも予防の1つです。
頭を高くしておくことで、母乳やミルクを吐き戻しにくくなります。
ミルクの吐き戻しを理由に小児科を受診する目安とは
ミルクの吐き戻しの原因は、基本的には赤ちゃんが成長するにつれて解決するものばかりです。
しかし、中には病気が原因でミルクを吐き戻している可能性も否定はできません。
その場合は、速やかに小児科を受診する必要があります。ただ、初めての育児だと小児科を受診するタイミングがわからないこともあるのではないでしょうか。
- 繰り返し噴水のように吐き戻しをするとき
- 嘔吐したミルクに赤や黄色などほかの物質が混ざっているとき
- ぐったりしていて発熱しているとき
- 体重があまり増えていないとき
上記のような様子が見られた場合には、速やかに小児科を受診しましょう。
もちろん、上記のような症状が見られない場合でも、ママがどうしても不安を抱えているようなら、受診を推奨します。
目安1:繰り返し噴水のように吐き戻しをするとき
繰り返し噴水のように母乳やミルクを吐き戻しているようであれば、速やかに小児科を受診しましょう。
噴水のように勢い良くミルクを吐き戻しているなら、以下のような病気を抱えている可能性が考えられます。
- 胃軸捻転
- 肥厚性幽門狭窄症
- 胃食道逆流症
目安2:嘔吐したミルクに赤や黄色などほかの物質が混ざっているとき
嘔吐しているものが、母乳やミルクのみなら基本的には心配ありません。ただ、嘔吐物の中に赤色や黄色、または緑色など、母乳やミルク以外の物質が混ざっているようなら、危険信号です。
急いで小児科を受診する必要があります。母乳やミルク以外の物質が嘔吐物に混ざっている場合は、腸捻転などの病気にかかっている可能性が考えられるからです。
治療が遅れたら、腸全体が壊死する場合もあるので不安な場合は、すぐに小児科を受診しましょう。
目安3:ぐったりしていて発熱しているとき
ぐったりして、発熱しているようなら、速やかに小児科を受診しましょう。
ぐったりしていて、発熱しているときに、母乳やミルクを吐き戻していると、栄養補給ができないだけでなく、水分も補給できず、脱水症状に陥る可能性も否定はできません。
新生児の発熱に気づくためには、日ごろから体温を測り平熱を把握しておく必要があります。
目安4:体重があまり増えていないとき
記事の冒頭では、母乳やミルクを吐き戻したとしても、全てが体の外に出ているわけではないため、きちんと栄養を補給することができていると紹介しました。
しかし、きちんと授乳をしているにもかかわらず、体重があまり増えていないようなら、栄養補給ができていない可能性が考えられます。
その場合は、小児科を受診する必要があります。体重が増えないだけでなく、減少しているようなら、急いで小児科を受診しましょう。
過度に心配せず、赤ちゃんの成長を見守りましょう。
新生児が母乳やミルクを吐き戻す原因、対処法や考えられる病気について本記事では紹介しました。
繰り返し母乳やミルクを吐き戻していたとしても、体重がしっかり増えていて、元気に過ごせているようなら基本的には問題ありません。
生後4ヶ月から5ヶ月ごろには吐き戻しの回数が落ち着いてくるので、成長を見守ってあげましょう。
ただ、場合によっては、重篤な症状をもたらす病気にかかっている可能性も否定はできません。吐き戻した嘔吐物に母乳やミルク以外の物質が混ざっていないか、体重はしっかり増えているかなど、赤ちゃんの様子を日ごろからチェックしておきましょう。
また、吐き戻した母乳やミルクを誤飲して、窒息しないためにもきちんと予防してあげてくださいね。
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